ガラス絵展IV(新潟県中越地震チャリティー展)

「ガラス絵」を見る楽しみ
ガラス絵を手にとると、そこには、つややかなガラス表面を
透過して、画家の凝縮された小世界が拡がっている。
みずみずしい色彩、明快な形象、透明色の重なり。
ガラスの抵抗感は、逆に画家の自由な発想を促している。
ガラス絵の大きな特徴は、描く面と見る面とが表裏にあるということにある。画家は、常にオモテからの「見え方」を意識しながら、ウラ面で計画的に絵具を重ね、ガラス絵という絵画世界を形成していくのである。
新潟ではかつて画家熊谷喜代治が水彩描写によるガラス絵を探求したことが知られている。そして現在、ガラス絵に新たな表現の可能性を求める画家たちがいる。
水性絵具の痕跡、たらしこみやにじみによる偶然の効果、
コラージュの手法。
ガラス絵は画家たちの冒険の場でもあるようだ。
(北上あつ子・新潟市美術館学芸員)

近藤 美紀子 【霜月】
10.0 × 13.0 cm
ガラスにアクリル絵具 2004年


出品作家●安藤真司、飯田春行、池田美弥子、猪爪彦一、今井庸介、小田尚、尾関立子、菅野由貴子、木下恵介、木村繁之、近藤亜紀子、近藤美紀子、近藤充、小林春規、佐藤杏子、信田俊郎、鈴木晃、鈴木一史、鈴木力、高橋俊文、瀧澤徳、戸川淳子、長谷部昇、原聡美、原陽子、林孝彦、速水信子、樋勝朋巳、堀葉月、本望マサ子、前山忠、山崎梨絵、山田ナツミ、 山田麻美、山中現、日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)の学生の皆さん