2015.6.26 会場風景
 
金 兌赫(キム テヒョク)展 6月26日(金)〜7月7日(火)  羊画廊
KIM,TAE−HYUK Exhibition 26 June.-7 July. 2015  HITSUJI-GARO
 2004年頃から、私はその以前に比べて非常に作品を単純化する傾向にあった。
それは一枚の画面に自分の考えを描き込みすぎないよう注意を払っていったからだ。なぜならば、絵画とはその画面を描くだけではなく、
平面(二次元)に描くことでその絵画が存在する空間(三次元)をも描く(作る)ことだと意識し始めた。
作品が一つの空間に飾られた時、その画面だけではなくその空間が何かを表しており、
そこに見る人が向かい合うことで何らかの幕が上がればよいと私は望んでいる。
 周知のごとく、絵はコミュニケーションそのものであり、作る人、作られた物、見る人の三角関係によって成り立つものであるのだ。
画面上で余分なものを省略することにより得られるモチーフのイメージと、作家のメッセージの明瞭化は、作品と見る人をより近づける。もちろん見方によっては、もっと難しくなってしまう側面も有りうるが、絵はそれを通してコミュニケーションを図ろうとする
相手次第のものであるため、全ての人々に分かって貰えるものではないであろう。  (金 兌赫)

<略歴>
2005年東京芸術大学大学院美術研究科博士課程修了。1993年佐藤美術館依頼(東京)での個展以来、日本各地で個展を開催。
1995年第24回現代日本美術展・新潟市美術館賞(東京都美術館、京都美術館)。
1999年第1回飛騨高山現代木版画ビエンナーレ・大賞(高山)。2000、04年に羊画廊、2013年に小羊画廊で個展。
2002年第5回高知国際版画トリエンナーレ・準大賞(高知)。他国際展で多数受賞。現在 忠北大学校造形芸術学科非常勤講師。

<所蔵>
町田版画国際版画美術館(町田)/ 新潟市美術館(新潟)/ 国立現代美術館(韓国)/Museum, University of Alberta (Edmonton)他
「Space-110115」
91.3×91.3cm Water color on Korean paper 2011 年

「Imperfection in Space-40703」
70×100cm Water color on Korean paper 2004年
「Imperfection in Space- 60902」
38×50cm Water color on Korean paper 2006年