ガラス絵展V   樋勝朋巳 【時間】 15.0 × 15.0cm 2005年
宝石のような絵画
洋画家小出楢重はガラス絵を数多く残した。
本人曰く、それは「定食のあとのアイスクリーム」のようなもので、 油彩制作の合間の息抜きとして
描かれたが、 廃れつつあったこの技法に光を当てたのは小出の功績の一つでもあった。
ガラス絵の魅力について画家は「ガラスを透してくる宝石のような心持ちのする色の輝き」と記した。
確かに、小出の描く裸婦の、あの艶やかな肌の色合いを、 ガラスという素材は十二分に生かしてくれる。
ガラス絵に関して小出は「小品」であることにこだわったが、手の込んだ額が施されたそれらの作品たちは、
手にとって愛でたくなるような独特の美しさを放っている。
さて、羊画廊に集う現代の作家たちは、 ガラスという素材をどう料理してくれるだろうか。
「定食」になるのか「デザート」になるのか。
いずれにせよ、出来上がった作品たちが、見る人の眼の中で、 「小さな宝石」のようにキラキラとした
輝きを放ってくれることを楽しみにしたいと思う。 (美術館学芸員・今井 有)