さいとうようこ
【めぇ】 31.0 × 20.0 ×8.0 cm 流木、粘土、アクリルで着色 2006年
さいとうさんにお話しを伺いました。

壁一面に飾られた、素朴で、でもユニークなたくさんの動物たちの顔。
これだけ多くの動物が並ぶと、こっちが見ているのか、それとも彼らに見られているのか…
一瞬分からなくなるような不思議な感覚にとらわれてしまいます。
しかし不思議と息苦しさを感じないのは、さいとうさんの作品の持つ素朴さや暖かさのせいかもしれません。

「遊びに行った海岸で、たまたまおもしろい流木を見つけたからなんです」
さいとうさんが流木アートを始めたきっかけは、こんな小さな偶然から。
今では時々市内の海岸を散策し、できるだけ多くの流木を集めているんだそうです。中でもお気に入りは松浜の海岸だとか。見つけた流木からすぐにイメージが浮かんでくる時もあるそうですが、大半は持ち帰ってからじっくりとイメージを膨らませるということです。

思わず立ち止まって、なに考えてるの?と話しかけてみたくなるようなコアラ。頭を撫でて、鼻をつまんでみたくなるようなキツネ。そんな愉快な気持ちを感じさせてくれる、さいとうさんの展覧会なのでした。
(2006.7.28 山田ナツミ)